音楽の都として知られるウィーン。美しい宮殿や歴史的建造物が点在するこの街を効率よく観光するには、公共交通機関の利用が欠かせません。
しかし、初めてウィーンを訪れる方にとっては、次のような不安や疑問を感じることも多いのではないでしょうか。
- 「どんな交通機関があるの?」
- 「チケットの料金はいくら?」
- 「どうやってチケットを購入するのがおすすめ?」
この記事では、ウィーンの主な交通機関の種類(U-Bahn・S-Bahn・トラム・バス)、チケットの種類と料金、そして実際の乗り方まで、わかりやすく解説します。2026年1月から新しい料金体系が適用されましたので、最新情報を反映した内容となっています。
これからウィーンを旅行予定の方は、ぜひ最後までご覧ください。
ウィーンの交通機関の種類
ウィーンでは主に以下の公共交通機関が運行されています。これらの交通手段を組み合わせることで、市内のほぼすべての場所へアクセスできます。
- U-Bahn(地下鉄):市内の主要エリアを結ぶ高速移動手段
- S-Bahn(近郊列車):市内と郊外・空港を結ぶ鉄道
- トラム(路面電車):市内を細かくカバーする便利な移動手段
- バス:地下鉄やトラムが届かないエリアをカバー
これらの交通機関は「ウィーン交通局(Wiener Linien)」によって管理されています(S-Bahnを除く)。そのため、ウィーン市内であれば同じチケットでU-Bahn・トラム・バス・S-Bahn(市内区間)を乗り継いで利用可能です。
U-Bahn(地下鉄)
ウィーンの地下鉄は5つの路線が運行しており、それぞれ番号と色で区別されています。観光で最も利用する機会が多いのは、ウィーンの中心地「シュテファン大聖堂」を通るU1線とU3線です。
主な路線と観光地の例:
- U1線(赤):シュテファン大聖堂(Stephansplatz)、ウィーン中央駅(Wien Hauptbahnhof)
- U2線(紫):プラーター公園(Praterstern)、ウィーン市庁舎(Rathaus)周辺
- U3線(オレンジ):シュテファン大聖堂(Stephansplatz)、美術史博物館(Volkstheater)
- U4線(緑):シェーンブルン宮殿(Schönbrunn)
- U6線(茶):ウィーン西駅(Westbahnhof)
U5線は現在建設中で、2026年1月時点ではまだ開通していません。完成すれば、ウィーン中央駅とフランツ・ヨーゼフ駅を結ぶ新しい路線となる予定です。
S-Bahn(近郊列車)
S-Bahnはウィーン市内と郊外を結ぶ列車で、この記事で紹介している他の交通機関と異なり、「オーストリア国鉄(ÖBB)」が運行しています。市内中心部だけなら地下鉄やトラムで十分ですが、以下のようなケースではS-Bahnの利用が便利です。
- ウィーン国際空港(Flughafen Wien)から市内へ移動する場合
- ウィーン郊外のホテルや観光地にアクセスする場合
主な路線と利用目的:
- S7線:ウィーン国際空港とウィーン・ミッテ駅(Wien Mitte)を結ぶ主要路線
ウィーン市内エリアのみであれば、S-Bahnも他の交通機関と同じチケットを利用できます。しかし、空港などの郊外エリアに行く際は追加で料金が発生しますのでご注意ください。空港への移動については、別途専用チケットの購入が必要です。
トラム(路面電車)
ウィーン市内には30路線ほどある路面電車が走っています。地下鉄では少し行きづらい観光地にアクセスする際に便利です。地下鉄に比べてスピードはやや劣りますが、ウィーンの美しい街並みを眺めながら移動できるのが魅力です。
主な路線と観光地の例:
- 1番・2番トラム:ウィーン市庁舎、国会議事堂、オペラ座を結ぶリンク沿いの環状線
- Dライン:ウィーン中央駅、ベルヴェデーレ宮殿、オペラ座
バス
ウィーン市内には100以上のバス路線があります。地下鉄やトラムが走っていないエリアに行きたい場合に便利です。ただし、主要観光地へのアクセスは地下鉄やトラムで十分なケースが多いため、観光客の使用頻度は他の交通機関に比べて少ない傾向にあります。
実際に筆者がウィーンに滞在した際も、バスを利用する機会はありませんでした。
【2026年1月最新】チケットの種類と料金
ウィーン市内の公共交通機関は、時間制または期間制の共通チケットで利用できます。U-Bahn・トラム・バス・S-Bahn(市内区間)を同じチケットで乗り継ぎできるため、観光客にも分かりやすい仕組みです。
2026年1月1日から新しい料金体系が適用されました。主な変更点は以下の通りです:
- 48時間チケットと72時間チケットが廃止されました
- オンライン購入とデジタルチケットの料金が変更されました
- オンライン購入の方が紙チケットより安く購入できるようになりました
詳しくはWiener Linienの公式発表をご確認ください。
2026年1月からの新料金体系では、アプリやウェブサイトで購入する「オンラインチケット」の方が、駅の券売機などで購入する「紙のチケット」より安く設定されています。
例えば1回券の場合、紙のチケットは€3.20ですが、オンラインなら€3.00で購入できます。長期チケットでは更に価格差が大きくなるため、後述する公式アプリ「WienMobil」からの購入を強くおすすめします。
1 journey Vienna(1回券)
ウィーン市内のエリアで使用できる1回限りの乗車券です。最大80分間有効なチケットで、時間内の乗り換えは自由ですが1方向のみの移動に限られます。出発した駅の方向に戻ってくることはできませんのでご注意ください。
| 購入方法 | 通常料金 | 割引料金 |
|---|---|---|
| オンライン(アプリ) | €3.00 | €1.50 |
| 紙のチケット(券売機) | €3.20 | €1.60 |
オンライン購入で€0.20お得!
24 hours Vienna(24時間チケット)
ウィーン市内ゾーンのすべての公共交通機関(U-Bahn・トラム・バスなど)が、初回有効化から24時間乗り放題になるチケットです。1回券とは異なり、方向の制限はありませんので、自由に移動できます。
| 購入方法 | 料金(2026年1月〜) |
|---|---|
| オンライン(アプリ) | €9.70 |
| 紙のチケット(券売機) | €10.20 |
オンライン購入で€0.50お得!1日に4回以上公共交通を利用する予定がある場合は、1回券を複数回購入するよりも24時間チケットの方が料金的に有利になります(€3.00×4回=€12.00 > €9.70)。
7 days Vienna(7日間チケット)
指定した日付の00:00から7日間有効な乗り放題チケットです。正確には8日目の午前00:59までとなります。
【例:2026年1月1日から開始の7日間チケットの場合】
- 開始日時:2026年1月1日 00:00
- 終了日時:2026年1月8日 00:59
| 購入方法 | 料金(2026年1月〜) |
|---|---|
| オンライン(アプリ) | €25.20 |
| 紙のチケット(券売機) | €28.90 |
デジタル購入で€3.70お得!
ウィーンに3日間以上滞在する場合は、7日間デジタルチケット(€25.20)を購入する方がお得です。24時間チケットを3日分購入すると€29.10となり、約€4以上の差が出ます。
計算例:
・24時間チケット×3日:€9.70×3=€29.10
・7日間デジタルチケット:€25.20
・差額:€3.90お得
31 days Vienna(31日間チケット)
指定した日付の00:00から31日間有効な乗り放題チケットです。正確には32日目の午前00:59までとなります。長期滞在や留学生の方に適したチケットです。
| 購入方法 | 料金(2026年1月〜) |
|---|---|
| オンライン(アプリ) | €65.20 |
| 紙のチケット(券売機) | €75.00 |
デジタル購入で€9.80お得!長期滞在では、この価格差が大きな節約になります。
2025年12月31日まで販売されていた48時間チケット(€14.10)と72時間チケット(€17.10)は廃止されました。2〜3日間の滞在の場合は、24時間チケットを複数回購入するか、7日間デジタルチケットの購入をご検討ください。
チケットの購入方法
チケットの購入方法は主に以下の4つです。それぞれにメリット・デメリットがありますが、オンライン価格が適用される「WienMobil」アプリからの購入を強く推奨しております。
- 駅にある自動券売機:現金・カード対応だが操作が複雑で料金が高い
- ウィーン交通局公式アプリ「WienMobil」:最も便利でお得な方法(推奨)
- キオスクやタバコ屋:営業時間に制限あり、紙チケット価格
- バス・トラムの車内:緊急時のみ(割高な場合あり)
- オンライン価格で最安値:紙チケットより最大€9.80安く購入できる
- 購入から乗車まで完結:アプリ内で全て完結できる(紙のチケットを管理する必要がない)
- 打刻不要:アプリ内で有効化できるため、打刻機を探す手間がない
- 英語対応:日本語はないが英語表示で使いやすい
- 複数枚購入可能:グループ旅行でもまとめて購入できる
- Apple Pay / Google Pay対応:安全で簡単に決済できる
WienMobilアプリからのチケット購入手順については、以下の記事で画像付きで詳しく解説しております。実際のアプリ画面を見ながら進めていけば、初めての方でも簡単に購入できますので、ぜひご覧ください。

ウィーンの交通機関の乗り方
ウィーンの公共交通機関は「信用乗車方式」を採用しており、日本のような自動改札機がありません。そのため、正しい乗り方を知らないと、悪気がなくても無賃乗車になってしまうリスクがあります。以下の4ステップを守って利用しましょう。
1. チケットの購入
まずは乗車前にチケットを購入します。上記の「チケットの購入方法」で紹介した、いずれかの方法で購入してください。旅行者には「WienMobil」アプリからの購入を推奨しております。
2. チケットの有効化 ※重要
ウィーンの交通機関では、チケットを購入しただけでは有効な状態になっていません。利用を開始するタイミングで「有効化(バリデーション)」を行う必要があります。この手順を忘れて乗車すると、無賃乗車とみなされ、高額な罰金の対象となることがあります。
紙のチケットかアプリのチケットかによって、有効化の方法が異なります。
打刻(紙のチケットの場合)
紙のチケットの場合、購入後に打刻機に通して打刻(スタンプ)する必要があります。駅には改札がない代わりに、写真のような青い打刻機が設置されています。紙のチケットを差し込むことで、使用開始日時が印字され、その時点から有効時間のカウントが始まります。
もし打刻をせずに交通機関に乗ってしまった場合、無賃乗車扱いで罰金を取られてしまいますのでご注意ください。

アクティベート(アプリの場合)
WienMobilアプリで購入したチケットは、購入後すぐもしくは指定した時間に自動的に有効化されるため、打刻の手順は不要です。アプリ内でチケットの有効状態を確認できます。
3. バス・トラム・電車へ乗車
チケットが有効化されていれば、そのまま交通機関に乗車して問題ありません。バスやトラムの場合も、乗車時に運転手へチケットを見せる必要はありません。
地下鉄については改札がないため、そのままホームへ向かい、電車に乗ることができます。ただし、有効化されたチケットを所持していることが前提となっています。
4. チケットの提示(検札)
ウィーンの交通機関では、抜き打ちでチケットの検札が行われます。検札官と呼ばれる係員が車内に乗り込んできてチケットの提示を求めてくるので、その際に有効化されたチケットを提示します。
- 紙のチケットの場合:打刻済みのチケットをそのまま見せればOK
- アプリのチケットの場合:WienMobilアプリでチケットを開き、表示されるQRコードを見せればOK
チケットを持っていても有効化されていない場合、または有効期限が切れている場合は、無賃乗車とみなされ罰金の対象となります。罰金は高額になる可能性があるため、乗車前に有効化状態を確認しましょう。アプリの場合は、スマートフォンのバッテリー切れにも注意が必要です。
まとめ
この記事では、オーストリア・ウィーンの交通機関の種類や、2026年1月から適用された新しい料金体系を反映したチケットの概要、そして基本的な乗り方の流れについて解説しました。
ウィーンの公共交通では「打刻」や「有効化」など、日本ではあまり馴染みのない仕組みもありますが、一度流れを理解してしまえばシンプルです。「WienMobil」アプリからのチケット購入を活用すれば、言語や券売機の操作に悩まされる場面も減らせますし、オンライン価格で紙チケットより最大€9.80もお得に購入できます。
特に長期滞在の場合は、デジタル購入による価格差が大きくなるため、アプリからの購入を強くおすすめします。U-Bahn・トラム・バスを上手に使い分けることで、効率的にウィーン観光を楽しむことができます。
この記事が、これからウィーンを訪れる方の不安を軽くし、現地での移動に役立つ情報になっていれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
