オーストリア・ウィーンは、芸術と音楽の都として知られるヨーロッパ屈指の人気観光都市。
歴史ある街並みや美しい建築、美術館・コンサートホールなど、見どころが満載で、日本人旅行者にも根強い人気を誇る旅行先です。
とはいえ、
- 「事前に何を準備すればいいかわからない」
- 「準備が足りているかどうかが不安」
といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、オーストリア・ウィーン旅行の前にやるべき準備リストをわかりやすくまとめています。
- パスポートの有効期限チェックなど、必ずやるべきこと (必須項目)
- アプリのインストールや観光スポットの予約など、やっておくと便利なこと (任意項目)
この2つのカテゴリを中心に、それぞれの準備項目を詳しくご紹介します。
スムーズで楽しいウィーン旅行のために、ぜひ最後までチェックしてみてください!
【必須項目】ウィーン旅行前に必ずやるべき準備
ウィーン旅行を計画している方にとって、旅行前に準備すべきことは多岐にわたります。
特に、このセクションでご紹介する「必須項目」は、忘れてしまうと入国できなくなる場合もあります。
ウィーン旅行を安心して楽しむためには、これらの項目をしっかり押さえて、万全の状態で出発することが重要です。
- パスポートの有効期限を確認する:シェンゲン協定国の出国予定日+3ヶ月以上の有効期限が必要
- 航空券を手配する:旅行の日程が決まったらできるだけ早めに
- ホテル・宿泊先を予約する:航空券と同じタイミングで手配
- クレジットカードを用意する:できれば2〜3枚持っていくと安心
- 海外旅行保険に加入する:海外旅行保険は絶対加入 (ないと医療費が高額に)
- 通信手段を準備する:海外でスマートフォンを使うために必要
- ETIASを申請する ※2026年開始予定:2026年開始予定の電子渡航認証
パスポートの有効期限を確認する
オーストリアへ旅行する際に、最初に必ず確認すべきなのがパスポートの有効期限です。
オーストリア入国には、「オーストリアを含むシェンゲン協定国の出国予定日から3ヶ月以上の残存期間」が必要とされています。
有効期限が足りない場合、入国ができないケースもあるため、早めの確認が重要です。
- パスポートをまだ持っていない方
- 有効期限がシェンゲン協定国の出国予定日から3ヶ月未満の方
上記に該当する方は、できるだけ早めにパスポートの「新規取得」または「更新手続き」を行いましょう。
2025年3月以降、パスポートのオンライン申請が可能になり、窓口に行かずに手続きができるようになっています。
詳しくは「外務省の公式サイト」で最新情報を確認し、早めに手続きを進めておきましょう。
シェンゲン協定とは?
「シェンゲン協定」とは、ヨーロッパの加盟国間での人の自由な移動を可能にする協定です。
これにより、入国・出国審査などを行わずに加盟国間を行き来することができます。
例えば、日本 → オーストリア → ドイツ → 日本の順で移動する場合は以下のようになります。
ご覧の通り、オーストリア → ドイツの移動の際に出入国審査は不要です。
- 日本で出国審査を行う
- オーストリアで入国審査を行う
- ドイツで出国審査を行う
- 日本で入国審査を行う
以下の画像で、黄色く塗られた国々がシェンゲン協定に加盟しています。

航空券を手配する
旅行の日程が決まったら、できるだけ早めに航空券を予約しましょう。
直前になると希望の便が取れなかったり、料金が高くなることがあります。
ウィーンへの所要時間
日本からウィーンへ行く場合、「直行便」もしくは「乗り継ぎ便」どちらかの選択肢があります。
それぞれの所要時間は以下の通りです。
※乗り継ぎ便の場合の所要時間は、乗り継ぎ地によって異なります
- 直行便の場合:15時間程度
- 乗り継ぎ便の場合:20時間程度
※ウィーンへの直行便は東京・羽田空港からのみ就航しています
航空券比較サイトで最安値を探す
航空券を探す際は、航空券比較サイトを利用するのがおすすめです。
複数の航空会社や航空券の料金を一括で比較でき、最安値の航空券を見つけやすくなります。
「Google フライト」や「スカイスキャナー」などの航空券比較サイトがとても使いやすいです。
おすすめの航空会社:カタール航空
ウィーン旅行の航空券を手配するなら、筆者のおすすめは 「カタール航空」 です。
ドーハ (カタール) を拠点とする航空会社で、世界的にも評価の高い航空会社です。
毎年スカイトラックス (Skytrax) のランキングでも上位にランクインしています (2025年は1位)
スカイトラックス (Skytrax) のランキングにご興味のある方は「こちら」からご覧いただけます。
実際に利用してみて感じた魅力は以下の通りです。
- ワンワールドに加盟しているためJAL (日本航空) のマイルが貯まる
- 乗り継ぎ地の「ドーハ・ハマド国際空港」が充実している (24時間営業のお店も多い)
- 機内食のレベルが非常に高い (チキンカツカレーなど日本人好みのメニューもあり)
「飛行機の時間や、乗り継ぎ地でも楽しみたい」という方に非常におすすめの航空会社です。
ホテル・宿泊先を予約する
航空券の手配と同じタイミングで、宿泊先の予約も始めましょう。
予算や希望の宿泊エリアがある程度決まったら、「トリバゴ」などの価格比較サイトを活用して、料金や設備を比較しながら予約するのがおすすめです。
宿泊先選びのポイント
筆者は海外旅行の際、以下のポイントを意識して宿泊先選びをしています。
- 治安:ホテル周辺の治安が良好かどうか (特に夜間)
- 立地:空港からのアクセス・観光地へのアクセスが便利かどうか
- 部屋:部屋の広さ、バス・トイレの綺麗さなどが自分の基準を満たしているかどうか
- 予算:観光に使うお金とのバランスを考えて、宿泊料金が高すぎたりしないか
- 口コミ:実際に宿泊したユーザーの評価を見て、不安材料がないか
ウィーンで人気の宿泊エリア
ウィーンで人気の滞在エリアは以下の通りです。
- ウィーン中央駅周辺:空港からのアクセス・他の都市や隣国へのアクセスが抜群のエリア
- ウィーン歴史地区:ほとんどの観光スポットが徒歩圏内で観光拠点にぴったりのエリア
筆者のおすすめのエリアは「ウィーン中央駅 (Wien Hauptbahnhof) 周辺 」です。
- ウィーン・シュヴェヒャート空港から電車1本でアクセス可能 (所要時間約15分)
- 国際列車の発着駅であるウィーン中央駅が使えるため、隣国へのアクセスが抜群
- ウィーンの中心地「Stephansplatz駅」も地下鉄で1本でアクセス可能
- ウィーン歴史地区に比べて宿泊料金が安い傾向がある
このエリアでの宿泊は、上記のようなメリットがあります。
「アクセス重視で、コストも抑えたい」という方には、ウィーン中央駅周辺は非常にバランスの取れた宿泊エリアです。
クレジットカードを用意する
クレジットカードは海外旅行の必須アイテムのひとつです。
カード会社によって異なりますが、申し込みから手元に届くまでに1〜2週間程度かかることが多いため、旅行の計画が決まったら早めに発行しておきましょう。
海外旅行でクレジットカードを持つメリット
海外旅行中にクレジットカードを持っていくと、以下のようなメリットがあります。
- 多額の現金を持ち歩く必要がなく、安全性が高まる
- 支払い時に慣れない現地通貨の計算をしなくて済む
- 海外旅行保険が付帯されているカードもあり (※カードによります)
- 空港ラウンジなどの付帯サービスが利用できる場合もある (※カードによります)
カードの種類と枚数について
可能であれば、VisaやMasterCardなど異なるブランドのクレジットカードを2〜3枚用意することをおすすめします。
その理由は、以下のようなケースが起こる可能性があるためです。
- 磁気不良・盗難・紛失などの理由によりカードが使えなくなった場合に備えるため
- お店によっては取り扱っていないブランドがあるため (JCBが使えないお店も結構あります)
- クレジットカード会社が不正利用と勘違いしてロックをかけてしまうため
海外旅行保険に加入する
ウィーン旅行では、「海外旅行保険」の加入は必須です。
現地で病気やケガをして病院にかかると、医療費が数万円〜十数万円以上になることもあります。
ウィーンは比較的治安の良い都市ですが、不測の事態に備えて海外旅行保険には必ず加入しておきましょう。
海外旅行保険の加入方法
海外旅行保険に加入する方法は、主に以下の2つです。
クレジットカードに付帯している海外旅行保険を利用する
クレジットカードには海外旅行保険が付帯されていることが多いです。
保証内容はカード会社によって異なりますので、お使いのカード会社の保険内容を事前に確認しましょう。
特に、保険適用の条件が「利用付帯」か「自動付帯」のどちらになるかはしっかり確認が必要です。
- 利用付帯:旅行費用 (飛行機やツアー料金など)をカード決済した場合のみ適用
- 自動付帯:カードを持っているだけで保険が適用
利用付帯の場合は、どんな条件で適用されるかも合わせてご確認ください。
保険会社の海外旅行保険に申し込む
カードの保険内容が不十分な場合や、より手厚い補償を希望する場合は、保険会社が提供する海外旅行保険のプランに申し込みましょう。
申し込み忘れがないよう、旅行前に早めの手続きをおすすめします。
通信手段を準備する
海外で快適にインターネットを利用するためには、事前に通信手段を準備しておくことが重要です。
ウィーンでインターネットを利用する方法4選
海外でインターネットを利用する方法は、主に以下の4つです。
- モバイルWi-Fiをレンタルする
- 現地で使えるSIMカードを購入する
- eSIMを契約して渡航前に設定しておく
- 日本のキャリアで海外ローミングを利用する
ご自身の状況や好みに合わせてインターネットの準備をしておきましょう。
おすすめの方法
個人的には「eSIMの契約」か「海外ローミング」のどちらかがおすすめです。
どちらもスマートフォン上で手続きを完結できるため、手軽に利用開始できるのが大きなメリットです。
海外ローミングについてはお使いのキャリアによって料金などが異なります。
ご利用のキャリア公式サイトなどで最新情報をチェックしてください。
筆者は楽天モバイルを利用しており、月2GBまで無料で海外ローミングが使えるため重宝しています。
ETIASを申請する ※2026年開始予定
オーストリアを含むシェンゲン協定国へ渡航する際、「ETIAS (エティアス)」の申請が義務付けられる予定です。
ETIASとは?
電子渡航認証システムであり、事前にオンラインで申請し承認を得る必要があります。
アメリカの「ESTA」や、イギリスの「ETA」などと同じようなシステムです。
ETIAS導入のスケジュールは変更になることがあります。
随時、「ETIAS公式サイト」からの情報をご確認ください。
【任意項目】ウィーン旅行前にやっておくと便利なこと
ウィーン旅行をより快適に過ごすためには、必須項目に加えて、いくつかの便利な準備もあると一層安心です。
このセクションでは、旅行をよりスムーズに行うために「やっておくと便利なこと」をご紹介します。
ウィーン旅行をもっと便利にするために、ぜひご確認ください。
- スマートフォンアプリをインストールする:日本にいる間にインストールしておくと◎
- 現地通貨 (ユーロ) の調達手段を考える:空港・現地両替 or 海外キャッシング
- Visit Japan Webを登録する:帰国時の税関申告がオンラインで可能
- 観光スポットを予約する:行きたい観光スポットは事前予約が確実
- カフェ・レストランを予約する:人気のカフェ・レストランは予約推奨
スマートフォンアプリをインストールする
ウィーン旅行をよりスムーズに行うために、事前に便利なアプリをインストールしておくことをおすすめします。
ここでは、実際に筆者が利用したアプリを3つご紹介します。
Google Maps
「Google Maps」は、個人的に最も使用頻度が高いアプリです。
これをインストールしておけば、観光・乗り換え・レストラン探しなどあらゆる状況で役立ちます。
特に便利なのがオフラインマップ機能です。
あらかじめ地図をダウンロードしておけば、インターネットに接続できない環境でも現在地の確認やルート検索が可能です。
日本にいる間に、訪れる予定のエリアをWi-Fi環境下でダウンロードしておくのがおすすめです。
ÖBB Tickets
オーストリア連邦鉄道 (ÖBB) の公式アプリで、鉄道や長距離バスの検索・予約・乗車がスマホひとつで完結します。
オーストリア国内はもちろん、周辺国 (ハンガリー、チェコ、ドイツなど) への国際列車もこのアプリで手配可能です。
【アプリのメリット】
- 日本にいる間にチケットを購入することが可能
- チケットはアプリ内でQRコードとして管理可能 (紙のチケット不要)
- 遅延やプラットフォームの情報もアプリで確認可能
現地でドタバタしないためにも、事前にインストールしておくことをおすすめします。
WienMobil
WienMobilは、ウィーン市内の公共交通機関 (地下鉄・トラム・バスなど) のチケット購入から乗車までを完結することができる、Wiener Linien (ウィーン市交通局) 公式のアプリです。
【アプリのメリット】
- 日本にいる間にチケットを購入することが可能
- チケットはアプリ内でQRコードとして管理可能 (紙のチケット不要)
ウィーン市内を観光する予定がある方は、必ずインストールしておきたいアプリのひとつです。
WienMobilの詳細や、チケット購入方法については以下の記事で詳しくご紹介しています。

現地通貨 (ユーロ) の調達手段を考える
ウィーンではキャッシュレス化が進んでおり、「クレジットカード」や「モバイル決済」が主流です。
しかし、すべての場面でカードが使えるわけではありません。
街中の公共トイレなどでは現金が必要になることがあります。
そのため、少額の現地通貨も用意しておくと安心です。
現地通貨 (ユーロ) を用意する方法
現地通貨は、以下のいずれかの方法で用意するのが主流です。
どのように現地通貨を取得するか、あらかじめ決めておくと安心です。
- 日本の空港で事前に両替する
- ウィーンの空港や市内の両替所で両替する
- 現地ATMで海外キャッシングを利用する
ちなみに私は、バルセロナ旅行時のユーロが30ユーロほど余っていたため、そちらを持参しました。
現金はいくら用意すればいいのか?
筆者の経験から「滞在日数 × 10ユーロ」を目安に用意しておくと安心です。
ウィーンの主要観光地や人気のレストランであれば、ほとんどキャッシュレス決済が可能です。
私はウィーンに4泊5日滞在しましたが、バルセロナ旅行時に余った30ユーロの現金のみで足りました。
Visit Japan Webを登録する
Visit Japan Webは、日本政府が提供する入国者向けのオンライン事前登録システムです。
帰国時の税関申告をオンラインで行うことができ、紙の申告書の記入が不要になります。
必須ではありませんが、事前に登録しておくと帰国時の入国手続きをスムーズに進められます。
登録方法については、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひご参照ください。

観光スポットを予約する
ウィーンは年間を通して多くの観光客が訪れる、ヨーロッパ屈指の人気観光都市です。
有名な観光スポットでは長蛇の列ができることもあり、当日券が売り切れるケースも少なくありません。
スムーズに観光を楽しむためにも、チケットの事前予約をおすすめします。
特に「シェーンブルン宮殿」は人気の観光スポットのため、余裕を持って予約をすると安心です。
事前予約がおすすめのウィーンの観光スポット
ウィーンで予約が可能な観光スポットとして、以下のような施設があります。
- シェーンブルン宮殿
- ベルヴェデーレ宮殿
- ホーフブルク王宮
- ウィーン国立歌劇場 (オペラハウス)
- 美術史美術館
せっかく訪れたのに入場できない、という事態を回避するためにも予約をしましょう。
【関連記事】ウィーンの観光スポットの予約方法・行き方
実際に筆者が訪れた観光スポットについて、それぞれ公式サイトからの予約方法や行き方をまとめております。





カフェ・レストランを予約する
ウィーンのカフェ文化はユネスコの「無形文化遺産」にも登録されており、ザッハトルテやウィンナーコーヒーを楽しめる伝統的な老舗カフェが街中に点在しています。
また、シュニッツェル (ウィーン風カツレツの) などの名物料理を堪能できる人気レストランも多数あります。
しかし、人気のカフェやレストランは混雑しやすく予約なしでは入れない、もしくは長時間並ぶこともあるため、事前予約をしておくのがおすすめです。
事前予約がおすすめのウィーンのカフェ・レストラン
以下は代表的なウィーンのカフェ・レストランです。
- カフェ・ザッハー (Cafe Sacher)
- カフェ・セントラル (Cafe Central)
- カフェ・モーツァルト (Cafe Mozart)
- フィグルミュラー (Figlmüller)
【関連記事】ウィーンのカフェ・レストランの予約方法・行き方
ウィーンのカフェ・レストランについて、それぞれ公式サイトからの予約方法や行き方をまとめております。
※カフェ・デメルは予約不可となっているため、混雑を避けたい場合は朝イチ (10:00) での訪問をおすすめします





【関連記事】必須の持ち物・あると便利な持ち物
ウィーン旅行を快適に楽しむためには、持ち物の準備もとても重要です。
以下の記事では、ウィーン旅行の持ち物について「絶対に必要なもの」と「あると便利なもの」の2つの観点を軸にご紹介しています。
出発前の準備にぜひお役立てください!

まとめ
こちらの記事ではオーストリア・ウィーン旅行前に「必ずやるべきこと」と「やっておくと便利なこと」をご紹介しました。
記事で紹介したものが全ての方に当てはまるわけではありません。
人によっては「これも必要」「これは必要ない」と変わってくると思います。
ご自身のご旅行の目的や価値観に合わせて変えて行っていただければと考えております。
この記事がみなさまの素敵なご旅行の一助となれば幸いです。
お読みいただきありがとうございました!